Wednesday, January 09, 2008

550億円の陸域観測衛星

550億円の陸域観測衛星、誤差やノイズで地図作れず
 全世界の2万5000分の1の地図(基本図)の作成を主目的とした宇宙航空研究開発機構の陸域観測衛星「だいち」の画像データが、予想以上の誤差やノイズ(乱れ)の影響で、基本図を単独で作るには精度不足であることが8日、明らかになった。
 国土地理院は、この画像データを、基本図の修正・更新の際に使う構想だったが、現地測量を追加しなくてはならないため、約4300面ある日本の基本図のうち完成したのは硫黄島など52面にとどまっている。
 基本図は、すべての地図の原本。日本全土は高度6000メートルからの航空写真を使って作製しているが、道路建設など土地変化の情報を随時反映させなければならない。国土地理院はこのため、同衛星が2006年10月に運用を開始してから年間700面のペースで画像を利用する予定だった。
 航空写真に比べると、単価が数百~数十分の1と安い上、航空機を飛ばさなくても定期的に更新画像を撮影できるのが理由だ。
 日本の基本図作りの地形データは、誤差5メートル以下という高精度が求められる。しかし、同衛星の画像は、等高線を決める「高さ情報」の誤差の大半が6メートル前後に集中していた。宇宙機構によると、打ち上げ前は誤差5メートル以下を想定していたが、衛星の姿勢制御が完全にはできず、高さ情報に誤差が生じるという。
 さらに、画像のノイズがひどいこともわかった。衛星画像は地上送信時に圧縮されるが、撮影した地表面の様子が予想以上に多種多様だったため、元の画像データに戻すことができなかった。宇宙機構は「事前に地上試験を行ったが、見抜けなかった」としている。
 同衛星の開発費は約550億円で、政府予算が投入された。姿勢制御については地上から修正を試み、回復の見込みがあるが、画像のノイズ修正には限度があり、同衛星単独での基本図作りは絶望視されている。宇宙機構は「基本図作りの衛星としては初めてだったので、想定外のことが起きてしまった。今回の経験を次号機に生かしたい」としている。

YOMIURIから

 それほどの額かけたのにねぇ。

No comments: